アウトドアシーンで大活躍の飯盒。
軽量でコンパクト、そして丈夫な作りが魅力です。
しかし、飯盒のお手入れ方法、特にシーズニングの必要性について疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、キャプテンスタッグの飯盒を例に、シーズニングの必要性とメンテナンス方法を解説します。
この記事でわかること
・飯盒のメンテナンス方法がわかる
本記事の内容
シーズニングとは何か
まずはシーズニングについて詳しくみていきましょう。
シーズニングの意味と目的
シーズニングとは、直訳すると「調味」を意味しますが、調理器具の文脈では「油慣らし」や「油ならし」と呼ばれています。
主に鉄製の調理器具に植物油を塗って高温で加熱することで、器具の表面に油の膜を作る処理のことを指します。
この油の膜が、調理器具を錆から守り、食材の焦げ付きを防ぐ役割を果たします。
新しい鉄製の調理器具は、表面が粗く、サビやすい状態です。
シーズニングを行うことで、油の膜が細かな凹凸を埋め、なめらかな表面に変化させます。
その結果、食材が焦げ付きにくくなり、お手入れも簡単になります。
また、繰り返しシーズニングを行うことで、油の膜が厚くなり、調理器具の保護効果も高まっていきます。
シーズニングが必要な調理器具
シーズニングが必要な調理器具は、主に鉄製のものです。
代表的なものとしては、以下のような器具が挙げられます
- 鉄製のフライパン
- 鋳鉄鍋(ダッチオーブン)
- スキレット
- 中華鍋
鉄製の調理器具は、錆びやすく、食材が焦げ付きやすいという欠点があります。
しかし、適切にシーズニングを行うことで、欠点を克服し長く愛用することができます。
一方、ステンレス鋼やアルミニウム、銅などの材質の調理器具は基本的にシーズニングが不要です。
シーズニングのメリット
シーズニングを行うことで、以下のようなメリットがあります。
錆防止:油の膜が鉄製品を酸化から守り、錆の発生を防ぎます。
焦げ付き防止:油の膜が食材と鉄面の直接の接触を防ぐため、焦げ付きを防止します。
油なじみの向上:繰り返しシーズニングを行うことで、鉄面に油が馴染み、調理時の油の広がりが良くなります。
食材の風味向上:鉄イオンが食材に移行することで、食材の風味が豊かになります。
お手入れの簡素化:焦げ付きにくくなるため、お手入れが簡単になります。
見た目の向上:シーズニングを重ねることで、調理器具が黒光りし、趣のある見た目になります。
このようにシーズニングには多くのメリットがありますが、定期的に行わなければなりません。
手間はかかりますが、一度習慣づけてしまえば、鉄製調理器具の優れた性能を長く享受できるでしょう。
飯盒にシーズニングは不要な理由
ここでは、飯盒にシーズニングが不要な理由について見ていきましょう。
飯盒のアルミニウム製の特性
飯盒は、主にアルミニウム製なのでシーズニングは不要とされています。
アルミニウムは表面に薄い酸化皮膜を形成し、通常の使用環境では錆びにくい素材です。
またアルミニウムは熱伝導率が高く、熱を素早く均一に広げるため、食材が焦げ付きにくいです。
そしてアルミニウムは表面が滑らかで、食材の焦げ付きが起きにくいため、お手入れが簡単です。
このようなアルミニウムの特性から、飯盒にシーズニングは必要ないとされています。
ただし、アルミニウムは柔らかい金属であるため、強い衝撃や擦り傷に弱いという欠点もあります。
焦げ付いた場合のお手入れ方法
万が一、飯盒にご飯などが焦げ付いてしまった場合でも、大抵は以下の方法で簡単に落とせます。
水を入れて煮る
飯盒に水を入れ、しばらく煮立たせることで焦げ付いた食材が浮き上がってきます。
金属たわしで擦る
細かい金属たわしを使って、焦げ付いた部分を優しく擦ります。
アルミニウムは柔らかく傷つきやすいため、強く擦りすぎないよう注意が必要です。
クレンザーを使う
頑固な汚れの場合は、市販のクレンザーを使って汚れを落とします。
酸性やアルカリ性の強い洗剤を使うこともできますが、アルミニウムを傷める可能性があるため注意が必要です。
飯盒は使い込むほどに味が出て、愛着が湧いてくる調理器具です。
多少の傷は、飯盒の歴史を物語るしるしとして、愛着を持って受け入れることができるでしょう。
飯盒の簡単メンテナンス方法
飯盒は、メンテナンスが簡単なことも魅力です。
具体的にどのようなメンテナンスが必要となるのかをチェックしておきましょう。
細かなメンテナンスは不要
飯盒は元々、軍隊で使用されていた調理器具です。
過酷な環境下でも使用できるよう、頑丈でシンプルな作りになっているので、飯盒は細かなメンテナンスを必要としません。
使用後は、食器用洗剤で洗いよくすすぎ、自然乾燥させるだけです。
直射日光に当てることで、雑菌の繁殖を防ぎます。
特別な手入れを必要とせず、このようなシンプルなお手入れで長年使用できるのが、飯盒の大きな魅力の一つです。
実体験に基づくお手入れ方法
私自身、自転車で北海道を縦断した際、飯盒を使用した経験があります。
当時は、水だけで汚れを落とすことができるスポンジを使い、約2週間飯盒を問題なく使用できました。
また、一緒に旅をした仲間の中には、ウェットティッシュで拭き取るだけでお手入れを済ませている人もいました。
この経験から、飯盒は本当に手間のかからない調理器具だと実感しました。
過酷な条件下でも、最低限のお手入れで問題なく使用できるのは、飯盒の大きな強みだと言えます。
シーズンオフ時のお手入れ方法
キャンプシーズンが終わり、飯盒を長期保管する際は、少し念入りなお手入れを行うとよいでしょう。
➀よく洗う:食器用洗剤でよく洗い、すみずみまで汚れを落とします。
②完全に乾燥させる:水分を完全に拭き取り、十分に乾燥させます。湿気が残っていると、カビや不快なにおいの原因になります。
③除菌する:除菌用アルコールや除菌シートを使って、飯盒全体を拭きます。
④乾燥剤と一緒に保管する:飯盒を保管袋や箱に入れ、乾燥剤を一緒に入れて保管します。
このステップでお手入れを行っておけば、次のシーズンも気持ちよく飯盒を使い始めることができるでしょう。
ただし、あくまでも任意のお手入れであり、必ず行わなければならないものではありません。
キャプテンスタッグの飯盒の耐久性
出典:Amazon
筆者は、キャプテンスタッグの飯盒を20年以上使用しています。
長年使用した経験から、飯盒の耐久性の高さを実感しています。
まず、吊り下げ用のハンドル部分は、一度も注油することなく、スムーズに動作します。
アウトドアでの使用を考えると、このようなメンテナンスフリーな部分は非常にありがたいポイントです。
また、飯盒の底の部分は多少へこんでいますが、使用に支障をきたすようなダメージは受けていません。
アルミニウムは柔らかい金属ですが、適度な厚みがあるため日常的な使用では十分に耐えられます。
飯盒への愛着
長年使用した飯盒は、傷一つひとつに思い出が詰まっています。
キャンプで使った時の楽しい思い出や、失敗談なども、飯盒を見るたびに思い出されます。
傷や汚れは、飯盒の歴史を物語る大切な要素です。
新品のようなピカピカの状態ではなくなっても、味わい深い飯盒に成長したと感慨深いものです。
長年使い込んだ飯盒は、単なる調理器具ではなく、アウトドアライフを共にしてきた相棒のような存在です。
だからこそ、新しい飯盒が欲しいと思うことがあっても、簡単には手放すことができません。
飯盒は、使えば使うほど愛着が湧く不思議な魅力を持っています。
これからも大切に使い続け、さらに多くの思い出を刻んでいきたいと思います。
まとめ
飯盒は、アルミニウム製で錆びにくく、シーズニングの必要がない優れた調理器具です。
簡単なお手入れで長年使用できるため、アウトドアシーンで大活躍間違いなしの相棒と言えるでしょう。
キャプテンスタッグの飯盒は、20年以上使用しても問題なく使用できる耐久性の高さが実証されています。
お気に入りの飯盒を手にアウトドアライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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