第1話
とある地方の海岸を女子高生3人が歩いていると、全裸の男(斎藤工)が倒れていた。3人がスマホで動画を撮影しながら恐る恐る近づいて行くと、男が突然顔を上げ、「勝者には何もやるな」とつぶやき、意識を失ってしまう。緊急搬送された病院で検査した結果、記憶障害が疑われるうえに、かなりの距離を泳いで来て溺れたことが判明。身元がわかるものも所持しておらず、唯一の手掛かりは、左足首に入ったタトゥーだけ…。担当医・国原栄一(船越英一郎)は、何か思い出したことがあればメモを取るように、と進言する。男は、思いつくままに頭に浮かんだ単語や、どこかの風景を描き始めるのだが…?
一方、女子高生3人は男を発見した際の動画を軽い気持ちでSNSに投稿。すると<#イケメン全裸漂着者>というワードがトレンド入りするほど大バズり! 「勝者には何もやるな」という言葉から、『ヘミングウェイ』と呼ばれ、男は一躍時の人となる。ヘミングウェイは女子高生たちから「今後も動画をアップし続けていけば、あなたのことを知っている人が現れるかもしれない」と言われ、撮影を許可する。
そんな中、県内では女児の失そう事件が発生。これまで半年の間に起きた女児5人の連続殺人事件との関連が疑われ、世間を騒然とさせていた。捜査を続ける県警捜査一課の刑事・柴田俊哉(生瀬勝久)と野間健太(戸塚純貴)、そしてスクープを狙う新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)らが事件を追う中、ついに女児が発見される。すると、女児の発見場所が、ヘミングウェイがノートに描いた風景と酷似していることが判明。この絵も動画でアップされていたため、ヘミングウェイは予知能力をもっているのではないか、とネットをザワつかせることに! 取材を希望する詠美、事件への関連を疑う柴田らがヘミングウェイの病室を訪れるのだが…?
そんなある日、初老の入院患者・後宮徳治郎がヘミングウェイとエレベーターに乗り合わせる。すると、ヘミングウェイの足首に入ったタトゥーに気づいた後宮が何かをつぶやき、突然怯え始めて…?
第2話
突然、病院の屋上から後ろ向きに飛び降りたヘミングウェイ(斎藤工)。身元引受人のローゼン岸本(野間口徹)と出会ったことが衝動的な行動の引き金になったのではないかと考える新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)、実は彼が入院患者で大学教授の後宮徳治郎(越村公一)の死亡事件の犯人で、良心の呵責に苛まれて自殺を図ったのではないかと疑う刑事の柴田俊哉(生瀬勝久)と野間健太(戸塚純貴)らが突然の出来事に動揺する中、ヘミングウェイは奇跡的に一命をとりとめる。
そんな中、新潟県警の捜査本部では、後宮は首を吊ったことによる窒息死で自殺と断定。しかし、胸の前で腕をクロスし、さらにその上から粘着テープでグルグル巻きにされていたため、柴田は自殺という結論に納得できず、後宮が亡くなる前日の防犯カメラの映像を調べ直すことに。すると、エレベーター内でヘミングウェイの足元を見た後宮が動揺しながら何かをつぶやいていて…。何を言っているのかわからず柴田らが混乱していると、通りかかった詠美が、後宮はロシア語で「着いたのか!?」と言っていると進言する。
一方、エレベーターで出会った後宮の態度が気になったヘミングウェイは担当医・国原栄一(船越英一郎)とともに彼の病室へ。すると、壁一面に謎の図式が書き殴られていた。ヘミングウェイは、制止する国原の言葉に聞く耳を持たず、一心不乱にその図式に何かを書き加え始めるのだが…!?
第3話
ヘミングウェイ(斎藤工)の担当医・国原栄一(船越英一郎)の遺体が見つかった。不可解なことに彼も入院中に不審死を遂げた大学教授・後宮徳次郎(越村公一)同様、胸の前で腕をクロスさせていた。そのうえ、目・口・耳を糸で縫われているという姿で…。
NPO法人『しあわせの鐘の家』の施設を訪れた新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)は、電話で国原死亡の知らせを受ける。すると、驚くことにヘミングウェイはすでにそのことを知っていた! ヘミングウェイによると、国原は彼に何かを伝えるため、今朝施設に来る予定だったという。なぜいつまで経っても現れない国原に連絡しなかったのかと詰め寄る詠美に、ヘミングウェイは「霊安室に横たわる姿が見えたから」と静かに告げる。「死が連鎖している。まだ何人も死にますよ」という不穏な言葉とともに…。
一方、新潟県警の捜査本部では、ヘミングウェイが入院していた病院で猟奇的な不審死が続いていることに色めき立っていた。刑事・柴田俊哉(生瀬勝久)は、ヘミングウェイを重要参考人として呼び出そうと息巻くのだが…?
第4話
新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)とヘミングウェイの動画を撮影し続ける女子高生3人組は、この自称ヘミングウェイの婚約者・琴音のインタビューを行うことに。しかし琴音は、彼の名前すら知らず、「婚約していたのは1400年前」と平然と言ってのける。単なる冷やかしか…と、女子高生らがガックリする中、詠美は琴音の腕にヘミングウェイと同じ柄のタトゥーが入っていることに気づく。社会部キャップ・橋太(橋本じゅん)は、このタトゥーが、現代人は退化してしまった“第六感”を現在も受け継ぐ遺伝子をもった民族の証なのではないか…と、真顔で現実離れしたことを言う詠美を危惧し始める。
一方、世間では、再び行方不明になった少女の居場所を言い当てたヘミングウェイに熱狂する人が続出。彼がまるで神のように崇められていく中、いまだ事件に関与していると信じて疑わない警察は、事情聴取のためヘミングウェイを呼び出す。自分を犯人扱いする警察にも、連日自分を狂信する人々が増えていくことにも一切動じない彼だが、突然現れた琴音に記憶の断片を刺激されたような感覚に…。「彼女と会ったことがある気がする」と言うヘミングウェイは、NPO法人『しあわせの鐘の家』の代表・ローゼン岸本(野間口徹)に、琴音を施設に招いてほしいと頼む。
その日の夜、帰宅した詠美が、殺された大学の准教授・古郡(森準人)から託されたUSBの中身を確認しようと試みているところに、ヘミングウェイから「キミの身に危険が迫っているから、早く家を出た方がいい」と電話がかかってくる。ヘミングウェイの“第六感”を信じ始めた詠美は、息をひそめて身構えるのだが…!?
第5話
園児13人を乗せたまま消息を絶ったバスの運転手が遺体で見つかる。幼稚園の砂場に生き埋めにされたあげくの窒息死というむごい犯行に、新潟県警の捜査本部が騒然となる中、刑事の柴田俊哉(生瀬勝久)は、一連の女児連続殺人事件とは無関係で、かなり計画的な犯行だと考える。
NPO法人『しあわせの鐘の家』の施設を訪れた新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)は、長時間祈り続けたまま動かないヘミングウェイ(斎藤工)の姿を見て、不思議な感覚に…。また女子高生3人組が、この祈り続けるヘミングウェイの姿を動画でアップしたところ、それを見て異常な行動を起こす人が続出。警察は、この不可解な現象は動画にサブリミナル効果など、何かしらの加工が施されているのではないかと調査するのだが…?
第6話
幼稚園バスの運転手を殺害し、13人の園児を拉致・監禁していたのは、ヘミングウェイ(斎藤工)の婚約者を名乗る謎の女・古市琴音(シシド・カフカ)と外国籍の男女だったことが判明。それと同時に、琴音を監視対象としてマークしていた公安が、外務省からの横やりで撤収させられていたこともわかる。彼女に関するすべてのデータが破棄される中、監視を続けていた刑事によると、琴音の自宅にNPO法人『しあわせの鐘の家』の代表・ローゼン岸本(野間口徹)が出入りしていたという…。
刑事・柴田俊哉(生瀬勝久)は、ヘミングウェイが幼い娘が失踪した過去を言い当てたことに激しく動揺しながらも、部下の野間健太(戸塚純貴)とともに、重要参考人としてローゼンを警察に引っ張るため、『しあわせの鐘の家』に向かう。しかし、そこになぜか総理大臣が現れ、あっさり追い払われてしまう。
テレビで総理大臣と公開討論をしてほしいと言われたヘミングウェイは「なぜ記憶もない自分が政治に利用されるのですか」とローゼンに反論するのだが、「むしろヘミングウェイ様が総理を利用するのです」と諭される。ローゼンの狙いが何なのか、まったくわからないヘミングウェイは、彼の正体に疑問を持ち始めるのだが…?
第7話
ヘミングウェイ(斎藤工)と対談していた総理大臣が落下してきたシャンデリアの下敷きになって死亡。ヘミングウェイが死を予言する言葉を叫んだ後に、シャンデリアが落下するという決定的な瞬間の動画が拡散され、世間が騒然となる中、外務大臣の藤沼恵美子(峯村リエ)が総理大臣臨時代理に任命される。
新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)は、上司の橋太(橋本じゅん)に、ヘミングウェイが最初に絵を描いて予言した総理大臣の死は、シャンデリアの落下によるものではなく、“橋らしき人物による殺人”だったと告げる。「ヘミングウェイが未来を変えたってことか?」と笑い飛ばす橋だが、翌日退職届を提出。唐突な決断にがく然とする詠美に、橋は、かつて彼女の父親が収賄事件に巻き込まれた際、「墓場まで持って行く」と言っていた秘密を、どうしても知りたいと思って取材を続けた結果、おぞましい真実、そして憎むべき黒幕を知ってしまったと語り始めるのだが…!?
一方、崖から大勢の人々に見送られて海に飛び込んだという記憶がよみがえったヘミングウェイは、自分が何者なのかを考え続けてきたものの、それだけではすべての記憶は戻らないと気づく。そして、自分の過去を知るというNPO法人『しあわせの鐘の家』の代表・ローゼン岸本(野間口徹)に、「あなたは何者なんですか?」と静かに問い掛ける。すると、それを聞いたローゼンは…?
第8話
捜査一課長・佐々木文雄(岩谷健司)の娘・一恵の失踪事件が、ついに公開捜査に切り替わる。この事件についてヘミングウェイ(斎藤工)が描いた、鳥が羽を広げたような絵が新潟県の県鳥で朱鷺(とき)だと知った新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)は、わらにもすがる思いで朱鷺が見られる佐渡島に渡ることに…。しかし、フェリー乗り場に向かう途中で、ヘミングウェイの絵にそっくりな鳥が描かれた和菓子店『嘴屋(くちばしや)』の看板が目に入る。引き寄せられるように店に入り、買い物をしていると、耳をつんざくような少女の悲鳴が――!
詠美からの連絡を受け、捜査本部では野間健太(戸塚純貴)が『嘴屋』の情報を照会。すると、長男・関川進に窃盗での逮捕歴があることが判明する。しかも進は、女児の体操着や水着、ランドセルばかりを盗んでいた! 色めき立った刑事・柴田俊哉(生瀬勝久)らは大急ぎで店に駆け付ける。しかし、話を聞くうちに、進が“一恵の誘拐には”関与していない可能性も浮上して…?
そんな中、柴田は容疑者の一人として注視してきた雲行寺の住職・深見龍之介(リリー・フランキー)にもらったまんじゅうが『嘴屋』のものだったことに思い当たる。防犯カメラの映像により、一恵を誘拐したと見られる人物が左足を引きずっていたことが判明しているため、柴田は密かに深見を試そうとするのだが…!?
第9話
和菓子店『嘴屋(くちばしや)』の大女将・関川ふみに刺された刑事・柴田俊哉(生瀬勝久)が、病院に緊急搬送される。しかし、傷がかなり深く危険な状態で…。ペアを組む部下・野間健太(戸塚純貴)や新聞記者・新谷詠美(白石麻衣)は、柴田の無事を祈り続ける。
その頃、新潟県警では捜査一課長・佐々木文雄(岩谷健司)が、ふみの取り調べをしていた。のらりくらりと追及をかわすふみだが、もう一人の共犯者について話が及んだ途端、すべての女児連続誘拐殺人事件は自分が起こしたと自供し始める。また、柴田を刺した理由について問われると、雲行寺の住職・深見龍之介(リリー・フランキー)のことを悪く言ったからだと、うっとりした表情を浮かべて…?
一方、総理大臣臨時代理・藤沼恵美子(峯村リエ)は、大規模テロを企てている某国の工作員を特定。公安が監視を続ける中、ヘミングウェイ(斎藤工)に“未来を選ぶ能力”で、日本を危機から救ってほしいと懇願する。NPO法人『しあわせの鐘の家』の代表・ローゼン岸本(野間口徹)らが、彼が描く未来について密かに準備を進める中、ヘミングウェイは、未来を変えようと一心不乱に絵を描き続けるのだが…!? そんな彼の姿を見た詠美は、日本が滅亡の危機に瀕していること、彼が違う未来を描こうとしていることを知る。そして、どうしても“もう一つの未来”のイメージが湧いてこないと嘆くヘミングウェイを、そっと抱き締めて…?
そんな中、ヘミングウェイが“預言者”に正式就任する“最初の鐘を鳴らす日”がやってくる――。
はたして、ヘミングウェイは日本を救うことができるのか…? そして、彼が選んだ未来とは…?
いよいよ最終回! あなたは衝撃の結末を目撃する――。
出典:公式サイト