第1話
笹野倫子(観月ありさ)はイベントコンパニオン。とは言っても、仕事場では、友達の衛藤なぎさ(矢田亜希子)らと、男の品定めが優先で、リッチな男をゲットしては、プレゼントを換金する “チャッカリ生活”をしていた。
そんな倫子がひょんなことからリゾートホテル経営者の高邑隆一郎(中井貴一)と知り合い電撃結婚。しかし、夢の永久就職は隆一郎の急死で一瞬で終わり、多大な負債返済のため、ホテル、マンションは取りあげられ、残されたのはボロ旅館と倫子に反発する娘の志保(黒川芽以)だけ。
旅館は借金まみれ、怪しげな勅使河原史子(浅野ゆう子)が一人長逗留しているが、客はない。倫子は早速売る気になるのだが、隆一郎が残したビデオを見て、一念発起、旅館を続けると決意する。
元気、美人が売りの倫子。仲居の園部初恵(円城寺あや)や板長の篠田太一(風間杜夫)らをどうつかって傾いた旅館を立て直すのか・・・。
第2話
倫子(観月ありさ)の女将初日が始まった。従業員はわずか四人。倫子はまず従業員の募集を始めた。「気紛れでやるなら止めて欲しい」と篠田(風間杜夫)ら従業員たちは冷ややか。
一向に予約の電話はならない。どうすればいいのか!!と倫子が考えていると、債権者の黒沼(金田明夫)から二泊三日40人の団体を回すという。何か裏があると反対する従業員たちだが、倫子は引き受ける。確かに裏があり、一泊二食で一人五千円だという。「うちは最低で一万五千円。引き受けると、安く見られる」と、倫子は、初恵(円城寺あや)に皮肉を言われてしまう。
借金取りに追われて、なぎさ(矢田亜希子)が東京から逃げてきた。元番頭の次郎(梶原善)もなぜか戻り、「経験がある」と里子(馬渕英里子)が板場に加わり、旅館の一応の体制は整うが、倫子が「食事代は八百円で」と頼むと、篠田は「それがあんたのやり方なんだな。これが済んだら辞める」と言い出すのだった。
第3話
史子(浅野よう子)が旅館花壱の経営指導顧問に就任する。心強い助っ人と喜ぶ倫子(観月ありさ)だが、なぎさ(矢田亜希子)ら従業員たちは史子の厳しさに閉口気味。
倫子は史子と「料理が自慢」と東京の旅行代理店回りの営業活動。その甲斐あり、早速、各社の担当者が下見に「花壱」にやってきた。「こんな凄腕なのに、なぜ?ホテルを辞めた…」と倫子は疑問に思うのだった。
赤坂の料亭からきた篠田(風間杜夫)の料理に満足する旅行代理店各社の担当者ら。しかし、一人小さな代理店の社長だけは、箸を進めてなかった。その社長が風呂場で倒れた。「花壱のイメージダウン。救急車は呼ばない」という史子の指導に倫子は・・・。
第4話
「花壱」の売り上げを伸ばそうと頑張る倫子(観月ありさ)は、旅館組合の会合で、人気旅館「春翠楼」の女将・妙子(ジュディオング)と知り合う。「一泊十万円、半年先まで予約でいっぱい」と聞き、「経営の方針は女将が決めること」と史子(浅野ゆう子)にアドバイスを受けていた倫子は、ノウハウを研究しようと「春翠楼」に出かけていく。
おしゃれな制服を着た従業員たちは英語も話し、お風呂にはアロマオイルの香り。食事は高級ワイン付きの洋食。「これじゃかなわない」と、しっかり感化された倫子は「花壱」に戻るや、従業員たちに和服から洋装の制服に着替えさせ、英語を習わせ、篠田(風間杜夫)には、洋食を作るよう命じる。売り上げアップのため、倫子なりに「花壱」改革に着手するのだが・・・。
第5話
「花壱」の売り上げを伸ばそうと倫子(観月ありさ)は、予算不足もあり、旅行雑誌に取材に来てもらおうと考える。
ところが、倫子が話をつけた雑誌は、記者が抜き打ちで取材に来て、歯に衣着せぬ記事を売りにしていた。「その記事次第で、大手ホテルや旅館も場合によっては、つぶれるほど」と史子(浅野ゆう子)から聞かされた次郎(梶原善)ら従業員はうろたえる。しかし、倫子は「ウチは客が少ないのが幸い、取材記者ならはすぐわかるわよ」とあっけらかん。
数日後、普段は客がほとんどないのに、四組の客が花壱へ。尊大ぶった男、カメラを持った男、パソコンを持った女性。いずれも記者のよう。それにもう一組ちょっと夫婦にしては雰囲気がヘンな老夫婦。なぎさ(矢田亜希子)らは、だれが本当の記者とパニックになるのだった・・・
第6話
篠田(風間杜夫)に、乃木坂にできる新しい料亭の花板にならないかと、誘いがかかる。思うような食材が使えず、助手の里子(馬渕英里何)も頼りない。料理人として思う存分働いてみたい篠田は、倫子(観月ありさ)には「ちょっと旅行へ」とごまかし、一週間の休みを取り、出かけていく。
篠田のいなくなった花壱はテンテコ舞。せっかくきたカップルに、「料理が遅い」と怒鳴られた里子はすっかり自信喪失。
女子大のグルメ研究会の十人の予約が入り、倫子は乃木坂の料亭に、篠田の真意を、確かめに行く。テキパキ働く篠田の晴れ晴れとした姿を見て倫子は、篠田に声をかけられない。
花壱に戻った倫子は、賄いもうまく作れない里子に「できる。できるって信じていたら、絶対にできる。私はずっとそう考えてやってきた」と励まし、料理の下準備を始めるのだった・・・。
第7話
倫子(観月ありさ)は、ついに黒沼(金田明夫)への月々の返済ができなくなり、なぎさ(矢田亜希子)の画策で、倫子は自分にメロメロの法生(岸田健作)とデートし、父親の黒沼に口添えしてもらい、なんとか返済を一時待ってもらおうとする。
一方、志保(黒川芽以)は、まだ学校に慣れず、突然母親になった倫子ともしっくりいってはいなかった。そんな志保が新入生歓迎式でピアノを弾くことに。そのピアノは祖母が学校に寄贈したもので、弾くのは父が好きだったショパンのノクターン。懸命に練習する志保の耳に、倫子が派手な格好で、法生とデートという話が聞こえてくる。「最低」。志保は倫子を軽蔑するのだった。
苦肉の策のデートは、千葉(金子賢)が、法生を殴ってしまい失敗。おまけにその時、法生が持っていたはずの金がなくなり、黒沼は「千葉が盗んだ」と千葉にドロボー疑惑もかかり・・・。
第8話
花壱に美人系の女性と堅物風な男の不釣り合いなカップルがやって来た。倫子(観月ありさ)は「何かあやしい」と直感、なぎさ(矢田亜希子)や初恵(円城寺あや)ら従業員たちは「不倫よ!」「後から女の男がやってきて血の雨が・・・」など、ワイワイがやがや始める。ところが、その女は、番頭の次郎(梶原善)をふって姿を消した女だった。
従業員たちの想像通り、女を捜しに男が現れた。男は次郎に声をかけ、自分は刑事で、結婚詐欺の常習犯の女を追っていると写真を見せる。自分も騙された被害者の一人だったと知りショックの次郎だが、女への思いが断ち切れず「そんな女は知らない」と刑事に嘘をついてしまうのだった。
犯罪者を故意に匿えば、「犯人隠匿罪。旅館の評判が落ちる」と史子(浅野ゆう子)は倫子に迫る。しかし倫子は「説得して自首させる」という次郎に「任せます」と、女将としての判断を下すのだった。
第9話
倫子(観月ありさ)の頑張りで、利益につながっているかは別として花壱には、しばしば予約の電話が入るようになった。そんな時、イタリアの高級ホテルのジョバンニ・カルパッチョ社長(フランク・オコーナー)が、花壱に泊まりに来た。
随行してきた室井(宇梶剛士)は、史子(浅野ゆう子)がかつて勤めていたホテルの同僚で、史子が企画した提携契約をカルパッチョ社長と結ぼうとしていたのだった。室井はまた、東京から突然姿を消した史子を捜してもいた。それはもう一度史子にプロポーズするためだった。
しかし、史子はこの契約を成功させれば、自分の考えは間違いではなかったことが証明できる!と俄然、張り切り出すのだった。
第10話
和服姿も凛々しく、女将として自信がでてきた倫子(観月ありさ)。そんな倫子を、次郎(梶原善)や、初恵(円城寺あや)から叱られてばかりのなぎさ(矢田亜希子)は、うらやましく思っていた。
なぎさの態度から、なぎさがどうも千葉(金子賢)を好きらしいことに気づいた倫子は、「私がうまくやってやるから」と、社員旅行を計画。まんまとなぎさと千葉を幹事に仕立てるが、千葉が好きなのは、倫子だった。そのことをなぎさは薄々感じていた。なぎさは、ひょんなことから、千葉が倫子に告白する現場を立ち聞き、いたたまれず花壱から姿を消してしまった。
第11話
花壱が初めて黒字になった。ふいの泊まり客の老人(織本順吉)も仲間に入れ、倫子(観月ありさ)ほか、なぎさ(矢田亜希子)、次郎(梶原善)ら従業員はお祝いの会を開き盛り上がった。そんな幸せもつかの間、黒沼旅館が不渡りを出し倒産、花壱の債権者が大手観光会社に移った。この観光会社では修善寺の開発計画を進めており、花壱も重要な用地の一部だった。
さっそく担当の企画部長が花壱に来て「契約だから、出ていって欲しい」と倫子に申し渡す。弁護士に相談しても、その主張は当然と言われる。窮地に立った倫子は、「社長に直談判」と、史子(浅野ゆう子)とともに、倫子は東京の本社に出かけていくが・・・。
第12話
花壱が潰れ倫子(観月ありさ)は、志保(黒川芽以)と東京でアパート暮らしを始め、再びイベコン、PRガールに戻った。そんなある日、新しいワインのPRをしていた倫子は、花壱が初の黒字になったとき、泊まりに来ていて、祝賀会に偶然加わった老人にばったり出会った。
その老人は、倫子たちが、花壱を立ち退かざるを得なくなった神崎開発の、今は実権を息子に譲ったが、会長(織本順吉)だった。神崎は現役時代、高邑とも大きな事業をしようとしたことがあったなど、しばらく倫子と世間話したあと、何かに気づいた様子で、倫子にある提案をした。それは、一日だけ花壱を開き、息子で社長の栄佑(春田純一)に、花壱が目指した「本当にくつろげる旅館」を再認識させることだった。
花壱再開最後のチャンス!と倫子たちは張り切りだすが・・・。
出典:FOD