・飯盒(はんごう)炊飯のやり方がわかる
飯盒って何?
飯盒とは今で言うクッカーの原型となったものです。
形は丸形と、変形した楕円形の物があり後者の方を”兵式飯盒“と呼びます。構成は、鍋、内蓋(なかご、とも言います)外蓋となっており、なかごで2合、外蓋で3合の米が計れます。
外蓋に取手の付いたモデルがあり、フライパンとして使うこともでき、なかごはおかずの取り皿としても使えます。
本記事では一般的なモデルに近いキャプテンスタッグのハンゴーでの炊飯をイメージしています。
ご飯の炊き方と手順
米と水を入れる
先ずは米を研ぎます。兵式飯盒の場合、米と水を入れなかごで蓋をして、左右に振る事でも十分に研げます。
水加減は米を平らにして、米の表面に人差し指を立て、第一関節に合わせます。この計り方はどのようなクッカーでも同じです。
2合と4合の目盛りが付いているのですが、その間の時に困るので覚えておきましょう。それから、1合に対して200mlというのもありますが、人差し指で計れば計量カップもいりません。
水の分量はおおよそでもうまく炊けます。家で炊くのと違い、多少の増減があっても、吹きこぼれることも踏まえ、美味しく炊けます。
水を計ったら夏場で30分、寒い時期では1時間浸しておくと良いでしょう。
春先や秋の水の冷たい時期や、人力移動で水場のない所(いわゆる野宿)でご飯を炊かなければいけない時には、無洗米という選択肢があります。
キャンプ場が混雑していて、水場から離れた所にテントを張った時にも良いです。
無洗米の場合、水の量の加減は普通のお米を炊くよりもほんの少し多めです・
実際に炊飯器で炊いたことを想定すると、線の下に調整していたのを、線の上にする位です。
そんなことアウトドアでは出来ないので、浸水時間を30分だったのを45分から1時間にすることで補えます。
キャンプ場に到着したらすぐにお米を準備して、それから設営すると、終わったころにはすぐに炊き始めることができます。
火にかける
上に記載した時間水に浸したら、火にかけます。
2合まではなかごで蓋をして、外蓋は外しておきます。3~4合は外蓋で蓋をして、なかごは外します。
外した蓋はそれぞれ焼き物などのフライパン代わりに使います。最初は強火で、沸騰したら出来るだけ弱火で15分。
この“できるだけ”というのがポイントで、熱源がコンロやガスバーナーの時は自在に加減できますが、炭火や焚火の場合は感覚でしかないので、火から離す程度で大丈夫です。
火力調整の難しいバーナーで小型なものならバーナーパッドを挟むと調節することもできます。
炭火や焚火の場合は感覚でしかないので、火から離す程度で大丈夫です
目安は、炭火の場合は、沸騰するまで炭の真上に置き、沸騰してきたら炭を片方に寄せ、グリルに何も置いていない場所を作り、反対側に置きます。
焚き火の場合は、沸騰するまでうちわや火吹き棒で炎を立ち上がらせ、その後薪を平らにし熾火にします
吊り下げる事のできる、ハンガーのようなものが有れば、それで火から遠ざけることもできます
火にかけて沸騰してくると、蓋が持ち上がって来てしまうので、石などで押さえます。
私はシェラカップに水を入れ重石にします。そうすると水を温めることもできて、ご飯が炊ける頃には味噌汁に丁度いい温度になっています。
(味噌は下ろしてから入れないと吹きこぼれるので注意)
レトルトパウチも温められます。
レトルトパウチは折りたたんで、向きを変えながら温めましょう。
そうすることにより、温めムラを少なくすることができます。
この方法で温めると、お湯を沸かすための燃料、水の節約になるだけでなく、よくあるお湯から出すときの「アチチ」を避けることができます。
蒸らす
弱火で15分経ったら、火から下ろし、15分蒸らします。
寒い時期だとすぐに冷たくなってしまうので、ブランケットに包みましょう。
夏場はそのままでも温度の低下は見られないので、何も包まず置いておきます。蒸らす時間は時期に左右されません
昔自衛隊の人から、逆さまにして草で底をこすり叩く、というのを聞いたことがあり、しばらくそうしていましたが、あまり変わらない気がしたのですが、今はそのままにしています。
おかげで私のハンゴーの底はデコボコです。しかし壊れる様子もないのでそのまま使ってまいすが、雰囲気を楽しみたい方以外は止めておきましょう。
よそう
一人でしたらハンゴーに直接カレーなどをかけて食べても良いですが、複数いて取り分ける時には、しゃもじではなくスプーンが便利です。
しゃもじだと大きすぎて、取り回しが悪く、ご飯をよそう以外の使い道もなくアウトドアでは使いにくいです。
その点スプーンだと当然そのままカトラリーになります。
私はかなり昔に買った【オムライス用スプーン】という、先の一辺が直線になったものを使用しています。
これだと深さのあるハンゴーの底の角、壁面にくっついたお米も、ストレスなく、すくいとることができます。
まとめ
炊飯器で炊くのと違い、硬かったり、柔らかすぎたり、たまには焦げ付いたりしますが、それも飯盒炊爨の醍醐味として楽しみましょう。
何度も試すうちに上手に炊けるようになります。美味しいお米さえあれば、おかずは何でもいいというくらい、満足できる食事となります。
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