この映画との出会い
今日の映画シリーズ、第3回目の今回はフランスの映画「アマンダと僕」です。
2021年のコロナ禍が始まって家からあまり出れなくなった時にたまたま観た映画です。 何を隠そう、タイトルが「アマンダと僕」そして、私の妻の名前もアマンダ。ある種、「僕」の部分が自分と置き換わってどんなストーリーなのかも知らずに、事前情報なしで観たこの映画。この映画は私の好きな映画のTOP10に入る映画になりました。映画や本との出会いっていつも突然だと思います。
1つの出来事を丁寧に映像で描く人間模様
パリの夏、陽光が街を照らし、美しいレナとの出会いに心躍る便利屋のダヴィッド。彼らは幸せな日々を楽しんでいましたが、突然の悲劇がその幸福を打ち砕きました。2015年に起きたパリ同時多発テロ事件の被害を受けてしまい、ダヴィッドの大切な姉が亡くなり、深い悲しみに包まれました。
孤独と悲嘆に包まれた中、彼は姪のアマンダの面倒を見る決意をしました。親代わりのように接しようと努力しましたが、若いダヴィッドには大きな責任がのしかかり、戸惑いを隠すことはできませんでした。アマンダもまた、母親を失った喪失感と闘っていました。
実際に起きてしまった悲劇から人間が向き合い、立ち直り、また生活に戻っていく様子を映画という形で、自分事化して体験するような感覚になり、映画を見終わったあとに身体の中に残る、温かいような、悲しいような、絶妙なナニカ。恐らく、長く生きていく中で、色々なことを経験した方の方が、思うことが多いのではないかと思います。そんな素敵な映画です。
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