今日の一冊はおくりバント会長、高山洋平さんの「ビジネス書を捨てよ、街に出よう」です。
この本を初めて読んだのはコロナ禍がちょうど始まった2020年の6月でした。
なんといっても高山さんの圧倒的なビジュアル、そして年間360日は飲み歩くというプロ飲み師としての肩書き。ラーメンを食べてTwitterに研修としてあげる面白いさ。全方位的にどこをとっても面白い人物で、私が会いたい著名人ランキングでぶっちぎりの1位を抑えています。
当時は仕事が忙しくこの本の内容があまり入ってこなく、あれから3年たち、自分が本当にやりたかったこのWAITER-U SHOPを立ち上げた今、もう一度読み返したら、ズキュンズキュンと響く内容のオンパレードでした。
この本で紹介されていた数々のエピソードの中からいくつかを紹介します。
漫画は最高のビジネス書
まず、この本は営業で思うように結果を出せないことを必要以上に重く受け止めてしまう真面目な社会人の真部くんを心配した上司が、あえて高山氏のもとに派遣し、対話形式で営業や仕事に関するマインドを指南していくというストーリー仕立てで進んでいきます。
その中でまず、真部くんが目の当たりにするのが、仕事時間中に堂々とルノワールで漫画を長時間読む高山氏の姿です。そして、言います「漫画は最高のビジネス書だ」と。
確かにビジネスに深く関わっている人だと無意識のうちに書店でビジネス書コーナーに行きがちですが、ビジネスは人と人の関わりで成り立っている以上、もしかしたらかえって漫画からの方がビジネスシーンに役立つ知識が得られるのではないかと妙に納得しました。
高山氏が真部くんにおすすめしていたのが、「美味しんぼ」と「めじばな刑事タチバナ」でした。どんな高級料理店の一流シェフでも美味しいものは美味しいと認める謙虚さが大切であることであったり、元々土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのは江戸時代からという会食で使えそうな話題であったり、見る人によってなにかしら得られるものはあるかと思います。
おみやげのスタンプラリー
有給を使って旅行に行った際に、大体の人はご当地のお土産を買って帰ると思いますが、そこまで真剣に選んでいる人は少ないのではないでしょうか。高山氏がすごいのはこれをコンテンツ化して、社内の普段あまり話さない人との画期的なコミュニケーションツールに変えてしまうことです。その名は「おみやげのスタンプラリー」
例えば北海道なら白い恋人、博多なら通りもんというように、47都道府県の銘菓をスタンプラリーのように集めているんです。と自ら社内を回るのです。すごいと思いませんか。
これならお土産を用意する方も、あの人のためにこれを買って帰ろうとなるので非常に画期的な取り組みだと思います。まだまだあります。
調味料をすべてデスクに揃える
ランチの時間帯に高山氏のデスクに様々な部署の人がお弁当の味変用の調味料を求めて集まるそうです。オリーブオイルからクレイジーソルト、醤油からソースまで。さらには社内のメーリスでカップヌードルのシーフード味にオリーブオイルを少し入れるのが美味しいですよ。というようなPR活動までしていたとのことでもう頭が上がりません。これを本では「松屋理論」と呼んでました。松屋に行ったことがある人なら想像がつくのではないでしょうか。
ピンチなときこそPOPに
この本では直接、苦手な上司にはこれ!というような具体論はないのですが、もっとその根底にある、ピンチな状況下でも潰れないで踏ん張れるためのマインドセットがギシギシと詰まっているような本でした。
この本のタイトルにもあるように、ウェビナーや本ばかり読んで勉強をするよりも、街にでて人は今何を考え、購入し、悩み、欲しがっていて、怖がっているのか、活きたインサイトを肌で体感する方が、学びは多いのではないでしょうか。