今日の一冊は加藤昌治さんの「考具」です。

私が初めてこの本に出会ったのは、2012年の夏。当時高校教師だった父親からオススメされたことがきっかけでした。


考えるための道具

考具という言葉自体は造語で、本書の定義でいくと「考えるための道具」を意味しています。

この本の出だしに出てくる、一文に心を奪われます。


「常日頃思うのですが、考えることが仕事なのに、そのための道具を持っていない人があまりに多い気がします」


まさにその通りです。考えるため(思いつくため、ひらめくため)に使う道具の多くは無地の

ノート、漠然とパソコンを開いて白い画面から始める。というのが一般的ではないでしょうか。


最近はMiroなどの優れたものも出てきましたが、「やはり考えるやり方」そして「使えるやり方」また、それを道具として「活用」するというところが構築できていないと、良いアイディアや企画はなかなか生まれないはずです。


そこで本書で頻繁に活用されるのはマンダラートというフォーマットです。



マンダラートの使い方

マス目にアイデアを書き込むことで思考を整理したり広げたりする技法で、使用するマス目が仏教の曼荼羅(まんだら)模様に似ているため、曼荼羅+アートでマンダラートと名付けらたそうです。最近では大谷翔平選手が18歳の時に自身の目標についてを設定した際に使われたマンダラートが有名になりました。

大谷翔平のマンダラート


作り方は簡単です。9マスを用意してその中心にキーワードを書きます。

そして周りの8マスに中心に書いたキーワードから連想されるまた別のキーワードを書いていきます。全部で9個のキーワードが埋まったら、今度はあがったキーワードを軸に同じ要領でこの作業を繰り返していきます。


すると全部で9個のマンダラートが出来上がります。これを横並び見てみて、別のマンダラートであがったキーワードを組み合わせることでアイディアを量産されるイメージです。


マンダラートにテーマを持たせて企画案の解像度を上げる

マンダラートの作り方を習得できたら、それをつなぎ合わせて活用することで企画やアイディアの解像度を高めることができます。


そもそも企画は4W1Hを網羅することで完成します。

誰が、いつ、どこで、何を、どうやって実現するアイディアなのか。すべてはここに詰まっています。そのため、例えば季節のイベントを開催するのであれば、「いつ」という要素のみにフォーカスしてマンダラートを作るイメージです。夏のイベントと一言でくくっても、夜なのか昼なのか、はたまた早朝なのか深夜なのか。初夏なのか夏の終わりなのか、色々あると思います。そのように出てきた1つ1つのキーワードを今度は、別の軸、例えば「どこで」という内容で作ったマンダラートと組み合わることで、「夏の終わりの江ノ島で開催する、みんなの夏の思い出を打ち上げる花火大会」というように企画の解像度を上げるイメージです。


それでも思考に詰まったら「オズボーンのチェックリスト」を活用しよう

様々な軸でマンダラートを作っていても限界が来るときはあります。

もう少しパンチが欲しいけれど、何が足りないのかがわからないというときもあるかと思います。そんなときに活用出来るのがオズボーンのチェックリストです。


やり方はとても簡単で、出てきているアイディアに下記の質問を投げかけるだけです。


  • 転用したら?
    • 現在のままで新しい使い道はないか。
  • 応用したら?
    • 似たものはないか。真似はできないか。
  • 変更したら?
    • 意味、色、動き、匂い、形を変えたらどうなるか。
  • 拡大したら?
    • 大きくする、長くする、頻度を増やすとどうなるか。
  • 縮小したら?
    • 小さくする、短くする、軽くするとどうなるか。
  • 代用したら?
    • 代わりになる人や物はないか。材料、場所は変えられないか。
  • 置換したら?
    • 入れ替えたら、順番を変えたらどうなるか。
  • 逆転したら?
    • 逆さまにしたら、上下左右、役割を反対にしたらどうなるか。
  • 結合したら?
    • 合体、混ぜたらどうなるか。

可能性は無限大に広がってきそうな気がしてきませんでしょうか。


最後にWAITER-U SHOPでは今回ご紹介したような考具をたくさん販売しています。

ぜひCREATIVEカテゴリの商品を覗いてみてください。きっとあなたのお役に立てる素敵な考具が見つかるはずです。あなたの素敵なお仕事がさらに素敵なものになることをWAITER-Uは願ってます。

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