今日のプレイリスト#33「The Swingle Singers(ザ・スウィングル・シンガーズ)」

今日のプレイリスト#33「The Swingle Singers(ザ・スウィングル・シンガーズ)」

今日のプレイリスト。33回目の今回は「The Swingle Singers(ザ・スウィングル・シンガーズ)」です。


下北沢で行きつけにしているレコード屋さん「フラッシュ・ディスク・ランチ」で購入しました。


このお店は、私が世田谷に住み始めて間もないころからずっと通っているレコード屋で、お店がある限り有効なポイントカードは、50スタンプ貯まると15,000円以下のレコードを何枚買っても半額というやばいシステムが人気のお店です。


声の魔法、アカペラが生み出す至高のハーモニー:ザ・スウィングル・シンガーズ、音楽史に刻まれた軌跡

静寂の中に響き渡る、重なり合う声の波。楽器の音に頼ることなく、声だけで織りなされる音楽「アカペラ」は、人間の持つ最も原始的な楽器、声の可能性を最大限に引き出す芸術です。その世界で、ひときわ輝きを放つ存在、それがザ・スウィングル・シンガーズです。

アカペラ、それは声の芸術、そして無限の可能性

アカペラは、その歴史をグレゴリオ聖歌にまで遡ることができます。教会音楽として発展してきたアカペラは、時代と共にジャズやポップス、クラシックなど、様々なジャンルを取り込み、その表現の幅を広げてきました。

楽器の音に頼らない分、各パートの声のバランスやハーモニーが重要となり、高度な技術と表現力が求められます。しかし、だからこそ、声だけで奏でられる音楽は、聴く者の心を打ち、感動を呼び起こす力を持つのです。

ザ・スウィングル・シンガーズは、このアカペラの可能性を追求し、新たな境地を切り開いたパイオニア的存在です。

ザ・スウィングル・シンガーズ、革新的なアカペラ・グループの誕生

1962年、フランスのパリで結成されたザ・スウィングル・シンガーズ。創設者ワード・スウィングルは、ジャズのスキャットを取り入れた斬新なスタイルで、クラシック音楽をアカペラで表現するという、当時としては画期的な試みに挑戦しました。

彼らのデビューアルバム『Jazz Sebastian Bach』は、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』をジャズ風にアレンジしたもので、その斬新なサウンドは世界中でセンセーションを巻き起こしました。クラシック音楽ファンだけでなく、ジャズファンからも高い評価を受け、アカペラというジャンルを一気にメジャーな存在へと押し上げました。

スウィングル・サウンド、時代を超えて愛される名曲の数々

ザ・スウィングル・シンガーズの魅力は、クラシック音楽にとどまりません。ビートルズの『She's Leaving Home』やビージーズの『How Deep Is Your Love』など、ポップスの名曲をアカペラでカバーし、原曲とはまた違った魅力を引き出しています。

彼らのアレンジは、ジャズの要素をふんだんに取り入れながらも、原曲のメロディーを尊重し、美しいハーモニーで聴く者を魅了します。特に、「ダバダバ」というスキャットを多用する彼らのスタイルは、「スウィングル・サウンド」として親しまれ、多くのファンを魅了し続けています。

現代に受け継がれるスウィングル・サウンド、そして未来へ

現在、ロンドンを拠点に活動するザ・スウィングル・シンガーズ。メンバーは時代と共に変化してきましたが、その革新的な精神と卓越した技術は、脈々と受け継がれています。

近年では、映画音楽への参加や、現代音楽とのコラボレーションなど、その活動の幅はますます広がっています。2005年には、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』から『前奏曲 ヘ短調』が、イギリスのシンガーソングライター、Jemのヒット曲『They』にサンプリングされ、世界中で話題となりました。

また、2023年には、結成60周年を記念したアルバム『Bach to the Future』をリリース。バッハの楽曲を現代的なアレンジでカバーし、新たなファン層を獲得しています。

声だけで音楽を奏でるという、シンプルながらも奥深いアカペラの魅力。そして、その可能性を無限に広げ続けるザ・スウィングル・シンガーズ。彼らの音楽は、時代を超えて愛され、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。



WAITER-Uではキャンプのみならず、音楽、本、映画もセレクトしています。

Spotifyでプレイリストも作ってますので、よかったらキャンプに行く車の中ででも聴いてみてください。

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